PSDでは、実現したい複数の設計性能とそれらに対する複数の影響因子を範囲で考えます。性能には通常,目標範囲(図右の赤範囲)があり、影響因子にも経験的あるいは論理的に考えて、性能目標範囲を実現できそうな初期範囲(図左の青範囲)があり得るからです。
図のように、影響因子と目標性能との関係式を用いて,各影響因子の初期範囲からそれぞれの範囲(図右の黒点線範囲)を求め、それがすべての性能の目標範囲に入るように、各影響因子の初期範囲を絞り込みます(図左の緑範囲)。
また、各性能や影響因子の範囲内に選好性の分布を示す選好度を入力しておきます。各性能と影響因子の間には背反性もあるので,先の絞り込みの際はどの性能にとっても選好度が高くなるような各影響因子の部分範囲(図左の緑範囲)を求めます。それらの部分範囲に対応した各性能範囲(図右の塗りつぶした緑範囲)が同時に満足できる各性能の範囲になります。